欧州を船と電車で旅する1ヶ月の記録〜到着編〜

2018年8月9日

眠っていたら、日付がいつのまにか変わっていた。Bakuについたらしい。飛行機を降り、トランジットの列に並ぶ。案の定、人がたくさんだ。ほとんどがビザを頑張って取得した中国人なので、一人一人にかかるチェックが長い。ようやく私の番。日本のパスポートを見せたら、ビザは?と聞かれたので、日本パスポートならビザはいらないよ、と言ったら秒で通ってしまった。よかった。いいだろう!えっへん!とまだまだ時間がかかりそうな列を横目に進んだ。こうゆうところ、私はやっぱり子供だ。でも日本パスポートの恩恵には本当に感謝である。渡航できる国数世界一は、とても誇らしい。きっと年を取っても、空港で私は誇らしげになるのだろう。

 

ぐにゃぐにゃと空港を進みに進みやっと着いたのは人こそ少ないがとても立派な空港!!イスタンブールへのフライトまで時間があるのでちょっとブラブラ。ウォーターサーバーがあるのを見つけ、めっちゃラッキーじゃん!この空港最高だな!!!とウキウキしていたら水が出てこない。でもこんなとこで諦める私じゃない。空港中を探し回ったが、ウォーターサーバーこそたくさんあるものの、全部水が出ないのだ。怒った。でも諦めない。清掃のおばちゃんにウォーターサーバーに水がないんだけど!!!と言ったら、しれっと、“あ、うん。ないよ”と返された。そっか。誠に遺憾ではあるがラッキーなことに自動販売機を見つけたのでお水を買おう。

 

しかし。

 

私、アゼルバイジャンのお金もアリマセン。いやきっと外貨で買える販売機もあるはずだ。こんなことで諦める私じゃない。そこで私はそばにいたお父さんに聞いてみた。3歳くらいの娘ちゃんはジュースを買ってもらったらしい。かわいい。ユーロの束を見せ、お水が飲みたいこと、ユーロで買いたいことを伝えた。そしたらお父さん、なんと笑顔でお水を買ってくれちゃったのだ。100円くらいのお水だが、厚かましいアジアの小娘に笑顔でお水を買ってしまうその行為にとっても感動した。誰か知らないしもう会うこともないかもしれない。共通点はたまたま朝早くに空港にいて、たまたま同じ時間にお水を買いたかっただけ。それでも困っていたら無償で誰かを助けてあげられる。笑顔で手を差し伸べ、笑顔で去っていこうとしたその親子に何かあげたいと思った私は、娘ちゃんに粉々になったカントリーマームをあげた。いつか日本に来てね。お父さんの背中を見て、大きく育ってね。

 

この旅、幸先いいな。私も見知らぬ誰かが困っていたらさっと手を差し伸べれるくらいの経済力と器を持っていたいな〜なんて朝焼けに包まれた町を見ながらお水を美味しくいただいた。

 

立派な空港をプラプラし、ポケーっとお菓子を食べながら目の前の小さな町を見つめていたら、そろそろフライトの時間だ。

バクーには4時間しかいなかったが、たくさんの感動をくれた。いつかバクーにもちゃんと降り立ってみたいな、と思いながらカスピアン海のほとりに立ち寄れた幸せを噛み締める。

 

日はすっかり上がっている。

イスタンブールの空港にろーりんは待っているだろうか。

 

※ろーりん:私の彼氏(日本人)